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新しい社会のカタチに気づいて、考える。そして何かやってみる。

「今年、秋あった?」というぐらい急に寒くなった今日この頃、皆様お風邪など召されてないでしょうか?「芸術の秋」「食欲の秋」などいろいろありますが、私は「学びの秋」。最近、区や市といった行政が実施している「地元企業を活性化させる試み」や「(参加型)まちづくり」というようなものに興味があって参加しています。今回はそのことについてお話させていただきます。
前回(2022年2月)このコラムに「会社経営は5.0のフェーズに入ってきている」ということを書かせてもらったのですが、今回のような行政の取組みを知り「そのことが企業だけではなく行政にも浸透してきたということかな?」と好意的に受け止めて参加しています。いろんなことを勉強させていただいていまして、これが本当に面白いので一部をご紹介させていただきたいと思います。
まず東京近郊のとある市で実施している「地域の企業課題を、クリエイターとの共創で解決する未来を目指したクリエイターズコミュニティ」活動です。
「共創で地元企業の課題を解決する」という目的で、実際に依頼があった企業や団体のパーパスを策定し、ステートメントを決めるというもの。最終的には、考えたパーパスやステートメントに沿った施策を考えて実施するといった伴走型の取組みになっており、これが座学だけではないので非常に刺激的で勉強になります。そして特筆すべきはこちらの講師の方々。それはもう多士済々で… かなり勉強になっています。現役バリバリで業界の先頭を走っているトップクリエイターの方々なので、話がかなり実戦的でリアルな話満載(というより実話のみ?)なのです。現在地方の中小企業は、どこも円安の影響もあり、非常に厳しい状況にあるということ。しかし、それでも楽しく明るく元気にやっているところはあり、その一例が神戸のデザイン会社が手掛けている『とあるお香のプロジェクト』。神戸の地場産業であるマッチをデザイン視点でアプローチした試みです。国内外で高い評価を受けているとか…。この会社は他にも『兵庫県の地場産業を活性化するプロジェクト』にも取り組んでいます。そして、その流れで話を聞いた『福井県鯖江市のデザインプロジェクト』、私の地元である『鹿児島県の若い経営者たちが行っているセルフプロデュースの試み』などなど…。採算が取れてるかはそれぞれだと思いますが「産・官・学」が垣根を越えた新しい動きを作り出し、地元(地域)のことに取り組んでいるのはとても良いことなのではないかと思います。今後は私もこちらの方向で何か柱を作っていければ会社としても個人としても新たな強みができ、いろんな意味で面白いのではないかと密かに考えています。「企業もモノだけを売れば良いという時代は終わり、体験価値や共感の重要度が高くなっていることを今のうちにしっかりと認識して対応していかないと、乗り遅れるどころか取り返しのつかないことになる」ということであり、今後は企業と地域社会の関わりがより大事になっていくということを実感しています。
下記は講義の中で心に残っている言葉の一例です。キャッチコピーの羅列のようになってしまうのですが、あえて挙げさせていただきました。
●【「伝える」から「伝わる」へ】
→「伝える」は「エゴ」。時代は「効率」から「愛着」へ移っている。
●【「ラーン(lean)」より「アンラーン(unleam)」】
→アンラーン(unleam)=既に学んだ知識、思考、習慣などを見つめ直すこと。今の若い世代は安心できる存在理由(信じられる大義)を求めている。「古い習慣」「見直されないルーチン」が成長を妨げている。
●クリエイティブはもう経営戦略であり、サステナビリティを体現できない企業は今後淘汰されていく(サステナブルでないことは今後、課税対象になる?)時代だから今のうちに手を打っておくことが大切とのことでした。

講義がスタートした当初から「…で、【パーパス】って結局なに?」って思ってた私(笑)。講師の方がやさしく教えてくださったのが以下の解説でした。
●パーパス⇒「わしらの会社は、どんな社会課題を解決できんの?」
ミッション⇒「それやるために、何したらええの?」
バリュ⇒「それができる強みはなんなん?」
ヴィジョン⇒「で、いつぐらいに、どうなりたいの?」
●パーパス経営とは、所属企業、部署、プロジェクトに社会課題解決が掲げられ、社会のためになる仕事をしていると思えることで、生産性や幸福度が高くなる経営。
なるほど、とても分かりやすい! 理解力の乏しい私でも分かる解説、ありがとうございました。さすがトップクリエイターはコミュ力も一流でした。

次の例は「参加型のまちづくり」。これは台東区、墨田区、足立区などいくつかの区の企画に実際に参加させてもらっています。そこでまず感じたことは、「個人で参加している方々がこんなにもいるのか!」という驚き。住民が地域のことを考えて参加しているというよりは、「自己実現」や「新たな出会いを求めて」とか「仕事に繋げたい」などそれぞれの思惑があるようですが、そこで初めて会った人とチームになってイベントを考えたり、看板を作ったり、運営したりする。そしてそれをプロがフォローしながらまちを盛り上げていくという図式はなかなか面白いです(なにしろ各メンバーが個性豊かで面白い!)。また、各参加者がそれぞれ何かのプロ(またはプロ級)というところも楽しいところ。これをビジネスとしてマネタイズするのは少々難しいのかもしれませんが、地域の意識が変わるきっかけにはなりそうだなと思います。また、そこで知り合った人々と何かを生み出していくことがビジネスに発展していく可能性もゼロではないし、なによりやっていて楽しい(打ち上げも含めて)のでこういった【「場づくり」ができる場】を確立できれば、働き方の多様化や地域のコミュニケーション不足、災害時の問題などの解消にも役立つことかと思います。昨今よく取り上げられる「Z世代」「ミレミアル世代」など新たな価値観を持つ若い世代に対しても「地域社会への貢献」「地域課題の解消」など、この世代の志向とも一致しそうなので、企業として取り組むことで思わぬ発展の仕方もありえるのではないかと思いました。日本を代表する大企業、トヨタの豊田章男会長(当時社長)も
「商品説明なんかより、大義が大切だよ。トヨタはどうでもいいから、若いクリエイターがイキイキできるプラットフォームにしてよ。そうすればいつかトヨタに戻ってくるからさ」
と若い世代に伝えることの大事さを社内報で話していたとか…。

「人生100年時代」といわれる昨今、仕事以外のところでの人のつながりや子供やパートナーを通じたつながりなどいろんな可能性があり、それが思わぬところで大事なもの(こと)に変わったりすることもあるかもしれません。「からだの健康+こころの健康+社会的な健康」を目指して自分でできることから少しずつでも取り組んでいこうと思います。
今年も残り少なくなってきましたが、よい締めくくりをして新たな年を迎える準備をしたいと考えています。
今回のコラムは堂脇が担当させていただきました。最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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