こんにちは。設計デザインの金子です。2022年も残すところあとわずかですが、いかがお過ごしでしょうか。
私事ですが先日、家族で実家の近くにある古民家に1泊してきました。延べ床総面積は250平米以上築120年の一軒家と蔵をリノベーションしているそうですが、大きく整備したのは水回りと老朽化した部分の補強くらいでほとんどが昔のままとのこと。1階の廊下天井部分は梁だけを残して吹き抜けになっていてとても開放感がありました。

普段は家主さんが一人で生活をされているようで宿泊の予約が入ると友人の家や親せきの家に泊まりに行ったりして家を貸し出しているそうです。

コロナ渦で、このように「家族だけで過ごせる空間」を求める人や「テレワーク」として利用する人がかなり増えているとのこと。訪日外国人観光客向け宿泊施設としても利用されることも多いみたいです。この地域では、高齢者の一人暮らしや空き家が年々増えてきているそうで、このように、リノベーションをして貸出すことを町全体で取り組んでいます。

古民家は各地域の気候や歴史、文化などを表すものでもあり貴重な地域資源でもあります。古民家を地域資源の一つとして活用することで、その修繕・活用に昔から受け継がれてきた地域独自の伝統や建築技術が生かされ、域内経済を活性化することにつなげています。空き家化の進行を抑えるだけでなくカフェやレストランとして装いを新たにして地域の憩いの場となったり…。古きよき町並みは残しながらも新しい形を取り入れていく「まちづくり」に取り組んでいます。
高齢化への対応やコミュニティスペースの創出など各地域の課題を解決するツールとして古民家を活用できた際には、古民家が地域に欠かせない「場」となり「核」となるのかもしれません。 何より、住む人が大切にお家のメンテナンスをしてきたからこそ思いや歴史が継がれていくのでしょう。

少し早い挨拶となりますが、今年１年も、たくさんのご縁がつながったり深まったりととても忙しく充実した日々が過ごせたことに感謝します。2023年が皆様にとって良き1年となりますように。