競争優位性
30数年前、果物で名高い新宿タカノは地価日本一になって間もなく、いきなりグッチの大型店になり驚愕しました(1階2階)。タカノが果物店を辞めたわけではない。代替品である花に、お見舞いやギフトに需要がシフトし、利益が以前ほど取れなくなり、不動産業(テナント貸)のほうが収益を見込めると睨んだのだろう。実際に、カタログ販売などにより果物店の競争相手である新規参入業者が相次いだ。今までは同業他社との競争で、競争優位を確保するために欠かせない条件の最上位は、駅前などの好立地果物店であった。しかし、業界の競争ではなく、結局代参品や新規参入者によって転業廃業を余儀なくされ、同時に、業界の利益そのものが少なくった。同様のことが果物店や、とって代わった生花店や他の小売業にも波及していく。さらにEC・ネット通販は小売店の牙城を切り崩し、業界の収益を飲み込んでいく。小売店は競争優位の条件を見出すか、またそこをうまく利用しないと生き残れないのかもしれませんね。
業界の収益を決定する要因は、マイケル・ポーターによると上記の代替品、新規参入者、業界内の競争業者と売り手、そして買い手の5つとあります。
果物店・生花店に限らず上記の出現により、変化に対応できないと苦しい経営が続くのでしょう。人口増が見込めなく、物価は上昇。コロナ下でもある。そして一握りの勝ち組が市場に君臨する。今後利益の源泉であるどのような競争優位性が必要なのか? やはり地道な需要の掘り起こしと需給にあった商品開発と品質なのかなと思います。
弊社は藤田建装から分社し、設立より36年。当初はレンタル備品を含む催事がメインで、その後展示会・各種イベントに業容拡大。今では商業施設やキャラクターイベントが、第2第3の主業務と変化してきました。お客様の業態も、宝飾・ギフト雑貨・キッチンウェアから今では機械・半導体などの精密機器の展示会に。コロナで市場規模がどの展示会イベントも受注半減ですが、他が伸びてくれたので助かりました。
弊社は営業が現場管理をしてリスクを減らし、デザインチームがオリエンからオープンまでアテンドしレスポンスを高めています。少しだけど競争優位性がある。そしてこんな会社は日本では弊社だけだと自負しています。時代の流れの中で、嗅覚の鋭い社員と、支えていただいている取引先様には感謝しかありません。今年も最高益更新を目指し、鋭意努力邁進します。
ちなみに、新宿タカノのテナントは、その後アンダーアーマーとなり今は、ティファニーがテナントとして入居しています。タカノブランドは健在で、ショップも好調のようです。ちなみに小生タカノのフルーツのケーキは大好きです。